- 試験対策・まとめ情報です。情報については要点を中心に記載しているので説明不十分な点があります。教科書と合わせてご活用ください。試験にでそうな情報についてはコメントいただけると嬉しいです。
- 出題は毎年5問程度。
2017年15-20 2018年14-19 2019年16-20 2020年11-15 2021年16-20 - リンク
目次
神経膠腫
- 出題は直近5年で8問(2017-16/18 ,2018-14/15 ,2019-17/19 ,2020-11 ,2022-16)
- WHO分類2021変更点
- 予後に基づいた遺伝子型での分類が本格的に導入
- 「退形成性(anaplastic)」ということばがなくなり、遺伝子型で乏突起膠腫、星細胞種、膠芽腫の3種類にまとめグレード数字(ローマ数字⇨アラビア数字)で簡素化。
- IDH1/2変異型
1p/19q共欠損あり⇨乏突起膠腫(Grade2or 3:病理所見で分類)
1p/19q共欠損なし⇨星細胞種(Grade 2 or 3 or 4: 病理所見+Grade4は遺伝子型でも*)
*Grade4 ①病理所見:微小血管増殖and/or 壊死(以前の膠芽腫)、②CDKN2A/Bの両アレルの欠失 - IDH1/2野生型
Grade2 or 3 星細胞腫はなくなった。
Grade4 膠芽腫
①病理所見:微小血管増殖and/or 壊死 ②TERTp変異
③EGFR増幅 ④Chr7+/10-
IDH野生型で病理Grade2・3、かつ上記遺伝子変異がないあるいは検査できない場合分類があやふや
- びまん性正中グリオーマは小児型腫瘍に分類
- 低悪性度グリオーマ
- 術後RTしても5年生存率(OS)は変わらないが、無増悪生存(PFS)は改善。
- 腫瘍制御されている症例の1年後症状は全身状態、認知機能、巣症状、頭痛は術後RTなしと同等だが、
てんかんのみRT群で少ない。 - 術後RT vs 術後ケモではPFS差なし。ただしサブ解析で星細胞種では術後RT群で成績が良い。
- 線量:45〜54Gy/25〜30 回が推奨。
(45Gy vs 59.4GyでOS・PFSに差なし。50.4Gy vs 64.8Gyで高線量で成績不良な傾向) - 併用療法:テモゾロミド、PCV療法併用が有効。OSが有意に延長。(PCVのうちロムスチンは本邦非売)
- 高悪性度グリオーマ
- 術後RTで予後改善。
- 標的体積:CTV1(拡大局所)GTV+摘出腔+浮腫に15~20mm、CTV2(局所)GTV+摘出腔に15~20mm
- 線量:PTV1に40~50Gy、PTV2に10~20Gy。寡分割照射 70歳以上 or 状態不良に 40Gy/15Fr等。
- 70Gy程度の高線量投与を支持する試験なし。
- 併用療法:ニトロソウレア、テモゾロミド(TMZ )。本法ではTMZが標準で寡分割でも有用。
- 全身状態不良ではRT単独あるいはTMZ単独も選択肢。高齢膠芽腫のメチル化症例ではTMZ単独が推奨。
- 術後60Gy+TMZ+交流電磁腫瘍治療システム(tumoe treating field)で予後延長。初発膠芽腫で保険適応。
- ベバシズマブの予後への寄与は否定的で推奨されない。
- 治療成績:
5年生存率:Grade4星細胞腫 20%、GBM 10%
WHO分類変更で過去の郡との対応がなくなっているので過去の成績見るときには注意。
例えば過去の膠芽腫の成績の中に新分類のIDH変異型(Grade4 星細胞腫)が含まれる、など。
髄芽種
- 出題は直近5年で3回(2018-16,2019-18,2020-14)
- 術後放射線治療によって治癒率60%程度。術後できるだけ早く31日以内には照射開始。3歳未満では放射線治療待機のために化学療法先行。
- 臨床的リスク分類:
①3歳以上
②小脳に限局
③髄液細胞診陰性で播種・転移なし
④摘出最大断面1.5cm2未満
上記全て満たすと標準リスク。1つでも欠けると高リスク。 - 遺伝子学的分類:
(WNT-activated, SHH-activated and TP53 mutant, SHH-activated and TP53 wild-type, non-Wnt/no SHH)と組織学的分類でWHO診断名。WNT-activeが一番治癒率高いがそれでもGrade4。 - 標的体積:CTV1 全脳全脊髄、CTV2 後頭蓋窩(あるいはCTV 2* 腫瘍床+10~20mm)
- 線量:CTV1 23.4-25Gy/13-15Fr(Chemo併用), CTV 2 or 2* 54Gyまで
(CTV1⇨CTV2⇨CTV2*とする方法もあり) - 併用療法:全脳全脊髄照射の線量を下げるために必要。ビンクリスチン、シスプラチン、カルボプラチン、エトポシド、シクロホスファミド。
下垂体腺腫
- 出題は直近5年で2回(2020-15,2021-18)
- 基本手術、機能性腺腫では薬物療法。困難ならRT(海綿静脈洞部腫瘍は手術困難でよい適応)
- STIが多い。SRS 辺縁線量15~20Gy(機能性では25Gy以上、視交叉線量10Gy以下)、SRTでは21〜25Gy/3~5Fr
- 晩期障害:ホルモン低下(成長ホルモン>FSH-LH、ACTH>TSH)
一過性嚢胞腫大(SRS・SRTの3〜6ヶ月後。視野狭窄時は手術)
髄膜種
- 出題は直近5年で2回(2018-19,2019-20)
- WHO分類2021にて基本病理学的分類に加え、TERT promoter変異、CDKN2A/B欠失があるとGrade3に組み込まれる。
- SRS 辺縁線量12~16Gy、SRT25Gy/5Fr
- 通常分割:Grade2/3 60Gy/30Fr
杯細胞腫瘍
- 出題は直近5年で3問(2017-15,2020-13,2021-15)
- 化学療法の効果良好だが、高率で再発するので放射線治療必要。成熟テラトーマは放射線無効のため手術。
- 全脳室以上の照射が必要。基底核病変は全脳、播種は全脳全脊髄。
転移性脳腫瘍
- 出題は直近5年で2回(2017-17,2021-20)
- 3cm以下かつ4個以下がSRS適応。
- WB vs WB+SRSで生存期間の差なし。
- 原発巣によって差がある可能性あり。
- SRS:2cm以内 辺縁線量22~25Gy、2cm以上18~20Gy。
- SRT:3~5cm 28~32Gy/4Fr
聴神経腫瘍
- 出題は直近5年で1回(2021-19)
- SRS 辺縁線量12~16Gy(14Gy以上で有害事象増加)、SRT21Gy/3Fr~54Gy/30Frと幅広い。
- 聴力温存60%程度。
- 顔面神経障害1~2%、三叉神経障害0~7%
上衣腫
- 出題は直近5年で1回(2021-17)
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