放射線治療専門医試験対策ー頭頸部腫瘍

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上顎洞癌

  • 出題は直近5年で1回(2020-19)
  • T4a以下では手術可能なら手術。T4bまたは手術困難症例でChemo(動注)+RT。
  • 治療後再発の多くは局所。
  • N0症例では頸部予防照射不要
  • 粒子線治療(重粒子線、陽子線)が保険収載。

上咽頭癌

  • 出題は直近5年で3回(2018-21,2019-26,2021-21)
  • 手術が困難なため放射線治療が基本。遠隔転移も多いのでStageⅡ以上では化学療法が必要。
  • EBV関連がほとんど。EBV DNA量高値だと予後が悪い。但し、日本ではDNA定量検査は保険適応外。
  • 予防的照射リンパ域:両側レベルⅡ〜Ⅴ、ⅦレベルⅡ(+)⇨Ⅰbも含める。
  • 上咽頭癌では3D-CRTからIMRTにすることで生存率が改善する
  • 25%に脳神経浸潤あり。Ⅴ(三叉神経)が多く、次いでⅥ(外転神経)。

中咽頭癌

  • 出題は直近5年で6回(2017-22/27, 2019-24,2020-17,2021-22/26)
  • 側壁型が60%と最も多い。
  • HPV関連が多い。実際はHPV検出の代替としてp16が検査に用いられる。
    p16(+)は予後が良く、TNM分類で分けられている。p16(+)癌のリンパ節転移は嚢胞性。
  • 予防的照射リンパ域:両側レベルⅡ・Ⅲ・Ⅳa・Ⅶa含める
    リンパ節転移陽性⇨陽性リンパの左右やレベルに応じてⅠb・Ⅳb〜Ⅴ・Ⅶb
    扁桃癌では①舌根浸潤なし、②軟口蓋浸潤1cm未満 の場合は予防照射省略も可。

下咽頭癌

  • 出題は直近5年で4回(2017-23, 2018-23, 2019-21, 2021-25)
  • 手術が基本。喉頭温存を希望する場合に(Induction Chemo+)CCRT。
  • 女性の輪状後部癌では半数程度にPlummer-Vinson症候群(Paterson-Brown-Kelly症候群)を基礎疾患にもつ。
    女性に多い疾患(男:女=1:2)だが、それでも輪状後部癌は若干男性優位に生じる。
  • 頭頸部癌の中で最も予後が悪い。全体の5年OS 30%程度。
  • 予防的照射リンパ域:両側レベルⅡ〜Ⅳa・Ⅶa(T3-4でⅣb+Ⅴc)含める
    リンパ節転移陽性⇨陽性リンパの左右やレベルに応じてⅠb・Ⅳb+Ⅴc・Ⅶbも含める
    (JCOG 1912ではⅤc予防域に含めず、Ⅴa+b含めることになっている・・・)

喉頭癌

  • 出題は直近5年で3回(2018-24, 2020-18, 2021-24)
  • 声門癌T1-2 N0では予防リンパ照射なし
    声門癌T3-4、声門下癌と声門上癌ではanyT、でリンパ域にも照射。
  • 予防的照射リンパ域:両側レベルⅡ〜Ⅳa含める声門下への進展があればレベルⅥbも含める
    リンパ節転移陽性⇨陽性リンパの左右やレベルに応じてⅠb・Ⅳb・Ⅴ・Ⅶbも含める
  • 線量:声門癌(局所照射):T1 66Gy, T2 70Gyあるいは1回2.4GyでT1 60Gy, T2 64.8Gy
    上記以外:T1 60-66Gy 、T2以上 70Gy
  • 併用療法:T1N0はRT単独、T2N0はリスクによってはChemo併用。StageⅢ以上ではChemo併用。
    声門癌で加速照射時はRT単独

口腔癌

  • 出題は直近5年で1回(2019-23)。舌癌ついて。
  • 舌癌
    主体は手術。
    小線源治療:LDR 192Ir 198Au, HDR 192Ir 60Co

唾液腺癌

  • 出題は直近5年で2回
    (2020-20,2021-23)
  • 腺様嚢胞癌(ACC):顎下腺や小唾液腺発生が多い。頸部リンパ節転移は少ないが、肺・骨の転移多い
    導管癌:高率にリンパ節転移、早期から遠隔転移多い。
  • 手術が基本。高悪性度群では全例、低悪性度ではT3-T4で術後照射。
  • N0でも高悪性群では片側頸部予防照射検討するが、ACCでは意義乏しい
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